「授業研究と研究倫理」
昨今、大学や研究機関における研究倫理申請手続きは必須であると思います。私の所属している大学でも同様です。ところが、一昔前の授業研究では、学校長の先生や授業研究者への口頭での説明や承諾のみであったケースも少なくなかったように思います。
今では、学校現場で授業研究を行い、データを収集する場合には、対象者が未成年となるため代諾者(保護者)と児童生徒本人の両方の承諾が必要になります。この場合、代諾者(保護者)や本人が研究に参加することを“承諾しない”ことも間々あります。また、欧米諸国では研究倫理が厳しいと聞いたこともあります。
一方で、授業研究において十分なデータを収集するためには、一人でも多くの参加者を得ることが重要ですが、欠席者のデータを除外したりするとデータが約半数程度になってしまうといった状況がしばしば見られます。このような状況の中で、私たちはどのように授業研究と向き合い、エビデンスを集積していくのか、検討しなければならない時期にあると感じています。
荻原 朋子(順天堂大学)
◆◆◆◆◆◆◆◆ CONTENTS◆◆◆◆◆◆◆
□巻頭言
「授業研究と研究倫理」
荻原 朋子(順天堂大学)
□サークル提案研究(第8期)の募集について
□事務局より
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